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塩野屋の想い

桑の自然栽培・無化学的ものづくりの取り組み

桑の木の栽培にも近年は化学肥料や除草剤などの使用が一般化して、農薬こそ桑の木に散布はしませんが、無肥料自然栽培ではなくなりました。

現在の養蚕は共同稚蚕飼育上で1齢から2齢もしくは3齢までの10日間程は人工飼料でもって無菌室で大切に育てられ、ある程度成長させてから蚕を農家に配蚕し て、その後は消毒剤と桑の葉だけで繭を作るまで育てます。
人工飼料は、天災回避や生存率や成長率の向上には有効ですが、自然の摂理からはより遠い飼育方法に成り、間引きや落ちこぼれということが起きない手法でメタボリック蚕の繭が増大する結果に成りがちです。
しかも、桑の葉を育てる際、肥料を与え窒素分が多くなると濃い緑色のぶ厚い葉っぱが繁ります。そんな窒素過多の葉も、成長の行き過ぎたメタボ蚕になる可能性を高めてしまいます。

先日、福知山の契約養蚕農家でピンクの繭を作る緋紅やローザと言う品種を、実験的に全齢桑育で飼育してみましたが、何と一部は繭から出てきて蛾は飛び去ったという報告が有りあました。人工飼料は食べたがらないし、成長にばらつきが有り繭も小さくて貧弱なのですが、生命力が有るというか江戸時代の浮世絵に蚕が飛び交っている絵の様でした。

本来蚕は、飛び上がるべき羽を持ち合わせているのですが、大きい繭を作る現行品種は体が大き過ぎて飛び上がれないという状況です。
桑の木の桑園管理にも無肥料・無化学を徹底した桑園と、化学肥料に除草剤と言う桑園を同時に育て3年に成りました。最初2年目までは、自然栽培の木は貧弱であり化学肥料の十分な樹に負けていましたが、最近はそう大差無い位に成長し出しました。

雑草の状況は、これも化学肥料の桑園は成長が盛んで雑草刈に労働力がかなり必要でした。それに比べ、無肥料の自然栽培の桑園には雑草の種類と大きさに違いが見られ、草刈りにも時間が掛かりません。今年から同時に同じ場所で桑の葉を別々にして飼育を開始していますが、多少の間引きや遅れ蚕は容認し、無消毒で全齢桑の葉飼育を実践していくつもりです。

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